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2020.04.03

富山新聞に当社の記事が掲載されました。

<自由に発想 緻密に計算>

社員から「走りだしたら止まらない社長」と言われる。美田が広がる立山町で3月中旬、ハープや自然食を楽しめるレストランをオープンした。美容と健康の拠点を整備する第1弾であり、2年後の完成までの総事業費は10億円。社業の医薬の枠にとらわれず、新事業に挑む。「世界各地を見て回り、今の時代、間違いなくマッチすると考えました」。約10年前の着想以来、フィリピンの「ザ・ファーム」など24カ国のリゾートを訪ね、いい物、いいサービスなら人が集まる」と確信した。ただ新ビジネスは当たればいいが、外れる可能性もある。怖くはなかったのかと聞くと「僕は案外細かいんですよ」。入社前に勤めた会計事務所で鍛えられ、数字には強いという。発想は自由でも判断は緻密にするタイプで、調査、計算を重ねた末に「やる」と決断したようである。

 

<設計は隈氏に依頼>

富山での適地調査には2年半を掛けた。隈研吾氏に設計を依頼し、名称を「ヘルジアン・ウッド」とした。一流の建築にアート、ヘルスケアと集客の三拍子をそろえ、一流のシェフも招く。

8月上旬にグランドオープンし、その後、宿泊棟も建てる計画だ。柔軟な発想は、本業の成功体験から生まれたようである。社長就任前の2014年、薬の試の循環も生まれる」と読むから験データの書き換えが発覚。辞任した父の後を継いだが、倒産目前になった。どん底から脱するため飲み薬製造から撤退し、塗り薬の外用剤に特化した。「明らかに飲み薬は不採算でしたが、30年以上の仕事で、切れなかったんですよ」。追い込まれてこその決断だった。

 

<「アメーバ経営」徹底>

京セラ名義会長の稲盛和夫氏が編み出した「アメーバ経営」を徹底する。約10年前から富山の盛和塾に通い、部署ごとに時間当たり採算を向上させ、V字回復を遂げた。立山町の拠点整備は「モノからコト消費に社なった時代、コトからモノへの循環も生まれる」と読むからで、自社のスキンケア化粧品の発信にも活用する心積もりである。「社長になった日、45歳から50歳で辞めると宣言したんです。民宿とおでん屋を営むことが夢なんですよ」。つい「本当ですか」と聞き直したが、これも本気のよう。「日々妄想しアイデアが浮かぶ」だけに民宿経営の傍ら別の会社の社長も務めていそうだ。本人も含め、未来は誰も予想できそうにない。

 

(2020年4月3日富山新聞より引用)