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2018.07.20

富山新聞に当社の記事が掲載されました。

2018/07/19 富山新聞掲載記事内容

海外視野 外国人を正社員に

 

富山、石川の企業 積極雇用進む

 

富山、石川の企業で、海外展開を有利に進めるため、日本語を話せる外国人を正社員として積極的に雇用するケースが増えている。技能実習生が途上国への技術移転をうたいながら、現実には人手不足を補う性格が強いのに対し、将来の幹部候補として育て、勝手の分かる母国で事業の中心的役割を担ってもらい、業績拡大を図る狙いだ。中には従業員に占める比率を高めて海外での事業拡大に照準を定める企業もある。


前田ヘルスケアホールディングス(HD、富山市)と傘下の前田薬品工業(同)は昨年、スリランカの男性1人、中国人の女性2人を初の外国人として社員採用した。スリランカの男性は日本の別会社から移籍し、現在は企画・開発マネジャーとして化粧品や医薬品の開発にあたる。


好みをリサーチ


中国の女性2人は東南アジアでの市場リサーチや営業活動、新規事業の計画も担当する。前田薬品工業はベトナムや台湾、中国に進出を目指しており、担当者は「アジア圏の人材の力を借りることで現地の好みにマッチした製品を提供したい」と話す。同社は社員に占める外国人の割合を10年以内に1割に引き上げる方針だ。


海外に進出する企業は増加傾向にあり、石川県と富山県新世紀産業機構によると、石川の企業が設ける海外拠点は2006年には176ヵ所だったが、10年間で253ヵ所まで上昇した。富山も増加しており、16年度末現在で189企業265事業所となっている。


留学生を新卒採用


今年度中をめどにベトナム1号店の出店を計画するハチバン(金沢市)は今春、ベトナム人留学生1人を新卒採用した。さらに出店に向けて、今秋からフランチャイズ契約を結んだ現地企業の社員を研修生として受け入れる予定で、ベトナム人の新入社員には研修生への通訳などの役割も期待しているという。


担当者は「今後も将来の海外展開を見据え、ベトナムに限らず語学が堪能な留学生の採用に取り組みたい」と話した。


実際に正規採用した外国人を海外へ派遣したケースもある。中国・杭州に合弁企業を持つ高松機械工業(白山市)は、北陸大を卒業した中国人男性2人を2009年と11年にそれぞれ雇用し、現在は合弁企業に出向させている。


行政側もグローバル人材の活用を後押ししている。富山県は12年から県内大学に在学中の外国人留学生らと県内企業とのマッチングを支援しており、担当者は「高度な技術や知識を身に付けた外国人が北陸の企業の一員として活躍する機会は今後、さらに増えるのではないか」としている。