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2019.03.20

北日本新聞に当社の記事が掲載されました。

前田薬品 化粧品を自社製造・・・外用剤のノウハウ活用

前田薬品工業(富山市向新庄町、前田大介社長)は、化粧品製造事業に参入する。 これまで外注していた自社ブランド品を自社製造に切り替えるとともに、相手先ブランドによる生産(OEM)供給を始める計画だ。 主力とする塗り薬など外用剤のノウハウをスキンケア製品の生産に生かす。 医薬品市場の環境が厳しさを増す中、事業多角化を進める考えだ。

自社ブランドの化粧水や乳液、ハンドクリーム、シャンプーなどを製造する。 化粧品製造に関する許可を受け、本社敷地内にある鉄筋コンクリート造2階建ての旧内服固形剤工場1階(延べ約430平方メートルを化粧品専用工場に改装している。

クリームを調合する真空乳化装置、軟膏やローションなどの充填機、包装設備、化粧品専用倉庫を備える。 6月末の完成、8月の稼働を目指す。 投資額は約5千万円。

自社製造を始めることで委託先の都合によらずにスムーズに生産できるメリットがある。 前田薬品は、製薬企業が医薬品に準じた製造・品質管理方針で生産した化粧品の安全、信頼性が強みになるとみている。

OEMは、化粧品事業に参入したい異業種のスタートアップ企業をサポートする狙いがある。 50キログラムと比較的に少量でも製造を受託することで、相手先企業が設備投資の負担なしにオリジナルの化粧品を販売できるようにしたい考えだ。

化粧品専用工場は産業観光の役割も持たせる。 生産の一連の流れを眺めることのできる見学者通路を設けるほか、化粧品に関するワークショップを行う。 また、工場2階はシェアオフィスに改装した。

前田薬品は、現行で全体の1%未満の化粧品事業の売上高を5年後に5%に当たる2億円に増やす目標を掲げる。 前田社長は「医薬品製造のフィロソフィー(経営哲学)を化粧品にも生かしたい」と話した。